あなたは喪中の正月飾りについてどこまでご存知でしょうか。
普段なら鏡餅や門松、しめ縄などを飾りますが、喪中になるとそれらを飾ってもよいのか不安な人も多いと思います。
私自身、小学生の頃に一度しか喪中の経験はなく、ほとんど記憶が残っていないので喪中の正月飾りをどうすればよいのか分かりませんでした。
知らないまま正月を迎えると、周りの人に非常識に見られて恥ずかしい思いをしてしますかもしれません。
そうならないように、喪中の正月飾りの正しい知識を身に着けていきましょう。
喪中に正月飾りはダメ
身内に不幸があった後の49日法要までは「忌中」、そして命日から一年の間が「喪中」となります。
まず49日法要までの忌中では神棚にお供え物を一切せずに扉を閉じた状態で白い半紙を貼ります。
もし半紙がない場合は白い紙でも大丈夫です、しめ縄をしている場合はしめ縄に被さるように半紙を貼り付けます。
この”封印された状態”を「神棚封じ」と呼び、この状態の神棚にはお供え物どころかお祈りすることもタブーとされています。
そして忌中の解けた50日目に神棚封じを外しても良いとされています。
この期間を超えて外した状態ならお祈りやお供え物などの普段通りのものはしても大丈夫です。
忌中が終わったら、次は喪中の期間に入ります。
先に書いた通り忌中が終わった後なら普段通りに神棚に接しても大丈夫ではありますが、喪中の間ではお祝い事を行うことは避けるというのがルールとしてあります。
なので喪中に正月飾りはタブーとなります、間違っても鏡餅なんか置いたりしないようにしましょう。
正月飾りをしない理由と神封じについて
「喪中とか湿っぽいし、せっかくのお正月なんだからバッチリ飾りつけしてドンチャン騒ぎすればおじいちゃんも草葉の陰で喜んでくれるよ」
なんて考えてる人もいるかもしれません。
ではなんで飾りつけをせずに神棚封じなんてするのかを解説していきましょう、これを読めばドンチャン騒ぎがどうたらなんて絶対に言えなくなります。
死と穢れ
神道では、死というのは「穢れ(けがれと読みます)」であり忌み嫌われるものとされています。
それが身内の不幸によって現れた状態で神棚に触れたりするというのは神様に穢れを近づける行為となります、もちろんこれはタブーです。
なので穢れを避けるために神棚のお供え物を下げて白い半紙で封印を施すということです。
ちなみに穢れというのは私達が普段使う「汚れ」という意味のほかに「気枯れ」という意味もあります。
これは、生命のエネルギーが尽きる状態から転じて穢れとなるというのが由来なんだとか。
また喪中の意味として、
「死者が出たことによって死者の国への扉が開き、親族に穢れが乗り移ったのでそれを移さないように一般社会との関わりを断つ」
というものがあります。
そんな状態で神様に触れたら、当然バチが当たります。
正月を祝う意味と穢れ
お正月というのは「歳徳神(とくとくしんと読みます)」を迎え入れるための祭事であり、門松や鏡餅といった正月飾りというのは歳徳神さまを迎え入れるためのアイテムなのです。
そして先に書いた通り、神道では死は穢れでありそれを神様に近づけるのはタブーです。
喪中にお正月飾りをして正月を祝うというのは「歳徳神さまに穢れ近づける」ということになるわけです。
招き入れた歳徳神さまが穢れを祓ってくれるなんてことはありません、神様に失礼な行為なので絶対に避けましょう。
地域によって細かいルールがある場合もある
一般的な決めごととして、
「忌中は神棚封じをして触れないようにする」
ということと
「正月などの祝い事は避けて飾りつけなどしないようにする」
というものを紹介していきましたが、様々な地域によって細かいローカルルールが存在するようです。
これは昔の厳しい喪中のルールを引き継いでいたりだとか地域による考え方の違いだったりとかでかなり変わってくるようです。
もし気になるようでしたら近くの神社に聞いてみるのもいいかもしれません。
まとめ
私自身まだ喪中と接点がなかったためにこういう決まり事について一切知らなかったのですが、調べて見ると結構お約束が多くてびっくりしました。
もちろん、ただ○○してはいけないという決まり事を守るというだけでなく、なぜダメなのかという背景を知ると
「あーそりゃダメだわ」
って気分になりますよね。
自分が喪中に入った時に守るにも当然ですが、もし自分の身の回りに守れていない人がいたらこっそり教えてあげてくださいね。
知ってる人から見るととんでもなく非常識に見えちゃいますからね。