身内など親しい方が亡くなって、初めての正月は一般的に「喪中」と言われています。
実際に喪中になってみると何をどこまでしてはいけないのかよくわからず不安になってしまうこともありますよね。
年末年始の過ごし方、こんな時はどうすればいいのだろう。
気になる喪中の正月の過ごし方をご紹介します。
喪中の正月の過ごし方
喪中のお正月どんな気持ちで過ごす
故人のことを思うとあまり派手なことはできません。
しかし、せっかくの休日なので何もしないで家にいるだけというのももったいない気がします。
ゆっくりと過ごすのもよいですが、じっくりとやりたことや抱負や目標を決める時間をとってみるのもいいのではないでしょうか。
いつもは祝い、賑やかに過ごす正月。
喪中の正月は、故人を偲びつつ、自分を高めるために、時間を有効に使うのもいいのではと思います。
初詣は行ってもいいの?
初詣は一般的に「神社は避けるべし、お寺は行っても良し」と言われていますが、忌中を過ぎれば神社に初詣に行っても問題はありません。
ちなみに、忌中は四十九日、喪中は一周忌までと言われています。
お寺の場合
お寺は死をけがれとは考えません。
お寺の本堂を利用して葬儀もするし、初七日や四十九日法要も行いますよね。
忌中や喪中などは関係なく初詣や参拝に行っても特に問題はないのです。
神社の場合
神社では亡くなってから50日は故人とその親族は穢れ(けがれと読みます)ているという考えから立ち入ってはならないと言われています。
忌明け(四十九日)以降なら初詣をしても問題ありません。
しかし、各神社によって考え方に違いもありますので、行こうと思っている所に確認をとるのが一番です。
新年のあいさつ
新年に外出すると友人や知人にあったり、会社ではたくさんの人と顔を合わせます。
喪中を知らない相手からは普通に新年のあいさつをされると思います。
言われる分に問題はありません。
しかし、こちらから「おめでとうございます」というお祝いの言葉は言えません。
「昨年はお世話になりました。本年もどうぞよろしくお願いします。」などと挨拶をすると良いでしょう。
「おめでとうございます」という言葉を入れないことで、不快にさせてしまうことがあるかもしれません。
喪中であることを伝えると、相手に対して不快感を与えることもないと思います。
喪中の正月の実家での過ごし方
毎年年末になると実家に帰省し、正月を実家で迎えるという人は多いでしょう。
家族、親族集まって、新年を祝うのが恒例。
しかし、喪中には祝いを避けたほうがよい。
けれども、正月に家族で集まることを楽しみにしている人なら、お祝いはできなくても顔を合わせて過ごしたいことでしょう。
喪中の正月、実家に帰省しても大丈夫
喪中でも、お正月の期間に実家に帰省することは問題ありません。
帰省してはいけないという決まりはないからです。
喪中に関する決まりは定められてはいません。
喪中期間は亡くなった人を偲び、身を慎んで過ごすようにします。
年末年始に帰省しても、お正月のお祝いの雰囲気を漂わすことなく静かに過ごせばよいのです。
実家での過ごし方
喪中の時のお正月は、お祝いに関する言葉を使わず、行動は質素に、地味にすれば良いのです。
家族、親戚で集まり、故人の思い出話をしたり、久しぶりの帰省であれば、日頃の様子などを話すことなど大丈夫です。
子どもがいる場合は、今年はいつもとは違うことをあらかじめ話しておくとよいでしょう。
お年賀ではなく、手土産を
新年のあいさつとして手土産を持参する場合、「お年賀」となります。
喪中の場合、お年賀として品物を贈るわけにはいきません。
普通の手土産として渡しましょう。
手土産につける熨斗(のしと読みます)はつけません。
包装紙できれいに包んでもらうだけでいいです。
熨斗をつける場合は、「ご挨拶」とするか、紅白の水引がない無地の熨斗にするとよいでしょう。
手土産は、仏壇にお供えできるものの方が良いです。
日持ちし、見た目や色が地味なものを選ぶ方が良いでしょう。
仏壇にお供えするものなので、故人の好きだったお菓子を選ぶのもいいと思います。
服装には気をつけて
服装には気を配りたいところです。
派手な洋服を着たり、派手なアクセサリーをつけたりしないように気をつけましょう。
さすがに黒のスーツとかは着なくてもいいよね。
子供たちの服装は、大人ほどに気を遣わなくてもかまいません。
ただし、できれば黒やグレーなど、地味な服を着せる方が良いでしょう。
お年玉も形を変えて
実家に親戚が集まれば、子どももいると思います。
子どもたちに渡すお年玉は、「お小遣い」として、お年玉袋ではなく、ポチ袋などを使用して渡すといいでしょう。
なんで今年は「お年玉」じゃないの?まぁどっちでもいいけどね。
喪中に会社関係からのお歳暮やお年賀が来たら
個人的に喪中の場合、仕事関係での毎年恒例のお歳暮、お年賀を出すべきか、控えるべきか迷ってしまうのではないかと思います。
先方から贈られてくることもあるでしょう。
その際にどうしたらいいのでしょう。
亡くなった方が仕事と関係がない場合にはいつも通りでいいのです。
どうしても気持ち的にはいつも通りにすることに対し考えてしまう部分もあるかと思います。
しかしながら、公私を分けて考えるというのがビジネスにおいての常識になります。
毎年の恒例のように行うことも、仕事であると割り切ることも必要になります。
喪中に年賀状を頂いてしまった場合
喪中であることを知らない相手から年賀状が届くこともあるでしょう。
相手への返礼は松の内が過ぎてから、寒中見舞いとして1月末までに出しましょう。
本来は「喪中はがき(年賀欠礼状)」を12月5日頃までに先方に届くように出さなければなりません。
まずはそのお詫びから伝えるようにしましょう。
喪中に寒中見舞いを頂いた場合
喪中に寒中見舞いを頂いた場合は、喪中に関係なく返事をだしてください。
もともと、寒中見舞いは、暑中見舞いと同じで、季節のあいさつです。
祝いのものではないので、喪中に関係なく届けることができます。
祝いを表す言葉は避けるようにしてください。
亡くなって初めての正月の年末年始のイベント
年末が近づくと、一気にお祭りムード。
いろんな行事がありますが、そこで気をつけたいことを確認していきましょう。
クリスマスはセーフ
クリスマスと言えば、パーティーというイメージがありますよね。
クリスマスに祝いのご馳走を食べたあとに、正月のおせち料理をやめるのは「喪に服す」という意味では矛盾してしまいます。
質素なパーティーや、クリスマス当日の「ケーキとチキン」程度であれば、通常の夕食で多少奮発した程とした全く問題はありません。
いい子にしてたらサンタさん来るんでしょ?
子供にとっては、喪中だろうがお構いなし。
大人の心の持ちようですね。
年越しそばは問題なし
”年越しそば”にはいくつかの由来があります。
「健康や金運が良くなるように」という願いや、「旧年の苦労や借金を断ち切る」などの意味がある食べる物です。
お祝いを意味する食べ物ではありません。
ですので、喪中であっても食べても問題ありません。
正月料理をお祝い用の豪華な食事とせず、あくまで普通の食事として食べればいいでしょう。
正月飾りを外に飾るのはNG
喪中の場合、玄関飾りや鏡餅などの正月飾りは一切しない方が無難です。
基本的に正月飾りというのは歳神様(としがみさまと読みます)を迎え入れて、無事に1年間過ごせたことを感謝して新年をお祝いするためのものです。
忌中(一般的には四十九日)を過ぎれば飾ってもいいという説もあります。
しかし、喪中のお祝い事は避けるという考えが一般的です。
非常識と思われるかもしれないので、特に屋外の正月飾りはやめておいた方がよいです。
もし故人が毎年大切に飾っていた形見などがあれば、家の中に飾って、故人に思いを馳せるという過ごし方もありですね。
お雑煮も大丈夫
”お雑煮”に使うお餅。
以前は特別な日を祝う高価で特別な物でした。
今ではごく一般的な食べ物になっています。
お雑煮ではなく、鍋などの感覚で普通の食事として食べてしまえば問題はありません。
気をつけたいのは、お祝となる柄のかまぼこや、花型のニンジンなどは避け、シンプルなお雑煮にすることでしょう。
おせちは工夫しだい
”おせち”は祝い料理なので、喪中には避けた方が良いです。
しかし、一般的には忌中(四十九日)を過ぎていれば家庭内でおせちなどを食べてもかまわないという意見もあります。
その際は紅白の食材や鯛、伊勢海老などのお祝い色の強いものは避け、かまぼこ、黒豆、なます、たつくり、きんとんなど、日持ちのするものにするなどしましょう。
またお料理を頂く時は、 重箱ではなくお皿に盛る、お屠蘇(とそと読みます)は控える、祝い箸は使わないといったことに気をつけましょう。
故人を偲ぶ期間ですので、故人の生前に好んでいたものを盛り付けるのもいいのではないかと思います。
まとめ
喪中は忌中と異なり、こうしなければならないという決まりはありません。
それぞれの心の持ち方といえるところが大きいと感じました。
宗教的な教えや、風習、習慣という地域がらもあり、一概に、こうしないといけないということはありません。
非常識と思われないよう、地域での風習を知っていることが大切になるでしょう。
しかしながら、喪中であるということで、窮屈な思いをする必要もないかと思います。
あなたが故人を大切に思うように、故人もあなたを大切に思われていることでしょう。
家族や身内と、よく話ながら、あなたらしい、あなたの家族らしい正月を、故人を偲びながら、心穏やかに過ごすことができればよいですね。