あなたは職場の取引先やお客様への挨拶状を出す時に、書き方とマナーは出来ていますか。
マナーや書き方を間違い本来使うべきでは無い言葉を使ったりしてしまうと、相手に不快な思いをさせてしまうかもしれません。
私も「拝啓」の意味も分からないままどんな挨拶状にも使っていた時があり、年下の人から注意された恥ずかしい経験があります。
ビジネスの挨拶状にも日本人特有の相手を敬う気持ちと、相手との距離感で微妙に文章に違いがあります。
今回はそんなわかっているようでわからない、ビジネスで必要な挨拶状の書き出しの部分を紹介します。
挨拶状の書き出しは3つのポイントで出来ている
ビジネスで使う挨拶状を書くのは難しいように感じませんか。
相手に失礼があってはならない緊張から、変な文章になったりしますよね。
そんな問題もポイントさえ判ってしまえばパズルの要領で言葉をはめ込むだけで簡単に文章を作ることができます。
- 一番最初に書く言葉(頭語)
- 季節のあいさつ
- 相手の活躍への喜びと日頃の感謝のあいさつ
この3つを順番に並べて書くだけでビジネスの挨拶状の書出しが完成します。
一番最初に書く言葉(頭語)
あなたは、知人に会った時に一番最初に何をしますか。
たぶん、「おはよう」や「こんにちわ」だと思います。
ビジネスの挨拶状だけではなく、全ての手紙の一番最初に書く言葉があります。
種類もたくさんあり、文章の内容によって使い分ける必要があります。
意味としては「こんにちわ」の挨拶と同じです。
どんな時も挨拶から会話が始まりますよね。
一般的な手紙
拝啓(はいけい) | 謹んで申し上げます。 |
拝呈(はいてい) | 謹んで手紙を贈ります。 |
啓上(けいじょう) | 差出人(あなた)が女性の時に使います。 |
改まった手紙(上司や目上の人)
謹啓(きんけい) | 敬意を払い謹んで申し上げます。 |
謹呈(きんてい) | 敬意を払い謹んで手紙をお贈りいたします。 |
恭啓(きょうけい) | 差出人(あなた)が女性の時に使います。 |
緊急を要する手紙(急いで伝えたい)
急啓(きゅうけい) | 取り急ぎ申し上げます。 |
急呈(きゅうてい) | 取り急ぎ手紙を贈ります。 |
急白(きゅうびゃく) | 差出人(あなた)が女性の時に使います。 |
注意するポイント
ここで注意してほしいのが、改まった手紙を書く時に使う「謹啓」です。
普通はあなたより目上の人に書く時に敬意を払う意味で使いますが、目上でも気の知れている仲で使うと失礼になる事があります。
いつも一緒に食事などに行っているのに「謹啓」を使ってしまうと、相手からすれば急によそよそしくなったように感じてしまうからです。
しかし、「親しき仲にも礼儀あり」と考える人も居るのであなたと相手の距離感で使い分ける必要があります。
因みに私はどんなに親しい友人でも、ビジネスの挨拶状はしっかりとした物でないと嫌な気分になります。
季節のあいさつ
次に書くのが季節のあいさつです。
「〇〇の候(こう)」という季節の言葉で始まります。
7月でしたら「真夏の候」となり、一番最初の言葉から続けると「拝啓 真夏の候、」といった文章になります。
一番最初の言葉と季節の挨拶は改行しないで一文字のスペースをあけて同じ行に書きます。
一般的にある慣用句をそのまま使っても問題ないのですが、「〇〇の候」ではやや事務的で冷たさを感じてしまいます。
私は少しアレンジを加える事により相手に伝わる内容も変わってくると思います。
夏であれば、
「真夏の候、夏本番を迎え暑い日が続きますが、営業の際は熱中症にお気をつけ下さい」
などの相手を思いやる一文を添えると相手も親近感が湧きしっかりと手紙を読んでくれると思います。
相手の活躍への喜びと日頃の感謝のあいさつ
最後は相手の活躍への喜びと日頃の感謝のあいさつを書きます。
いつもお世話になっている相手の活躍や日頃のお礼の一文を入れます。
褒められて悪い気分になる人ってそうそういませんよね。
その一文により、相手に対して丁寧な印象を与える事が出来るので私はどんな手紙にも書いた方が良いと思います。
書き方は、お礼のあいさつの後に感謝のあいさつが続きます。
お礼と感謝のあいさつは両方とも5つのパーツで一文となっていて、それを選んで組み合わせる事により簡単に書くことができます。
どの組み合わせでも、失礼のない文章が出来ます。
日本語って凄く不思議ですね。
相手の活躍を喜ぶ文章
(1)貴社(2)ますます(3)ご清栄(4)のことと(5)お喜び申し上げます。
(1) | 貴社、貴店、貴所、貴行、貴会、貴殿、皆様、各位 |
(2) | ますます、一段と、なお一層 |
(3) | ご清祥、ご清栄、ご隆盛、ご隆昌、ご繁栄、ご繁盛、ご活躍 |
(4) | のことと、の由、の趣、とのこと |
(5) | 心より、お慶び申し上げます。謹んでお喜びいたします。 |
相手に感謝を伝える文章
1)平素は(2)格別の(3)ご高配をいただき(4)心から(5)感謝申し上げます。
(1) | 日頃は、平素は、この度は、常々 |
(2) | 格別の、格段の、並々ならぬ、何かと |
(3) | ご厚誼(ごこうぎ)を賜り(たまわり)、ご厚情を賜り、お世話になり |
(4) | 心より、厚く、深く、誠に、心から |
(5) | 御礼申し上げます。感謝しております。恐縮しております。 |
まとめ
ビジネス挨拶状の書出しは一番最初の言葉、季節のあいさつ、相手の活躍への喜びと日頃の感謝のあいさつの3つの文章から出来ています。
順番通りに書く事で、相手に失礼の無い挨拶状を作成することが出来ます。
相手への連絡方法が多様になった現在でも、手紙による挨拶状は最も一般的な連絡方法とされています。
ビジネスでは挨拶状の書き方が間違っていたために、相手に不快な思いをさせてしまい仕事や依頼が失敗に終わってしまう事もあると思います。
あなたも、私の様にわかったつもりで挨拶状を書いて失敗しないようにしっかりと3つのパートを理解して、相手に失礼の無いビジネスの挨拶状を書きましょう。