普段、手紙やはがきなどを送ることって少なくなっていますよね。
特に、若い世代の方などはメールで済ませることが多くなっていると思います。
私自身、手紙を出した記憶は小学校の時のラブレターぐらいです。(笑)
会社で挨拶状の作成をお願いされても、書ける自身は全くありません。
今のポジションでは書く機会などありませんが、昇格して行くと書かないといけない場面も増えてきます。
しかし、今さら「挨拶状ってどうやって書くんですか」とは聞けないですし、そんなことも知らないのかと思われても困りますよね。
そこで、今回はビジネス挨拶状の書き方と、仕事ができる人になれるポイントをご紹介していきます。
挨拶状は手紙と書き方は同じ
挨拶状は、基本的に手紙と一緒で、はじめの文・本文・終わりの文の3つで構成されます。
そこで、特に悩むはじめの文と終わりの文について詳しく説明していきます。
はじめの文で入れる3つのもの。
ビジネス文書の場合、まず初めに、「拝啓」と書き、そのあとに季節の挨拶が入ります。
季節の挨拶ってどんなもの?
例えば、7月下旬の場合は、「盛夏の候」や「大暑の候」などという言葉が季節の挨拶になります。
あまり聞いたことない言葉ですし、読み方もよくわからないですよね。
盛夏の候は「せいかのこう」と読み、梅雨が明けて夏の一番暑い頃を意味します。
具体的に7月1日~8月10日頃に使います。
大暑の候は「たいしょのこう」と読み、厳しい暑さの時期を意味します。
具体的に7月22日か23日頃に使います。
堅苦しいですよね。
ですが、こうゆうことが昔からの礼儀として行われており、知らなくても生きていけますが、知っていると知っていないでは大きく変わってきます。
特にビジネスなどでは、そういった言葉や礼儀を知っているだけで、信頼され売り上げなどにも繋がるケースがあります。
季節の挨拶を書いた後には、繁栄や感謝の言葉を入れます。
繁栄や感謝の言葉って?
例えば、会社の繁栄を願ったり、喜んだりする言葉として、「ますますご清栄のことと心からお喜び申し上げます。」と言います。
この言葉はさすがに見いたり聞いたりしたことがあるのではないでしょうか。
ビジネスでは一般的に使われてる言葉ですよね。
私は、車の点検やお店からのお知らせのはがきなどで、よく見たことがあります。
また、感謝の言葉としては、「平素は格別のお引き立てにあずかり、厚く御礼申し上げます。」という言葉が使われます。
これもよく聞く言葉ではないでしょうか。
ビジネスだけではなく、大きな会社から個人に届く手紙にも使われていますよね。
我が家に届く、銀行からのDMとかで見かけるような気がします。
以上が、はじめの文になります。
はじめの文には、「拝啓、季節の言葉、繁栄や感謝」の言葉を入れればいいのね!
これではじめの文はバッチリですね。
はじめの文のあとには本文が入ります。
本文の書き始めは「さて」や「つきましては」から書き始めましょう。
本文にはどんなことを入れたらいいのでしょうか?
例えば、事務所移転のお知らせの挨拶の場合は、
これを機により一層の精進に努め、皆さまのご期待にお応えして参りたいと存じ上げます。
終わりの文でも、入れるのは3つだけ。
本文を書いた後に、指導を願う言葉や繁栄を祈る言葉を入れます。
指導を願う?繁栄を祈る?
例えば、指導を願う言葉として、「今後とも変わらぬご愛顧を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。」と言います。
この言葉はよく見たり聞いたりするのではないでしょうか。
お店などで目を掛けて欲しい場合などによく使われていると思います。
また、繁栄を祈る言葉としては、「末筆ながら貴社の一層のご発展をお祈り申し上げます。」という言葉が使われます。
この言葉はあまり個人のDMなどでは目にしない言葉ですが、ビジネスでは一般的に使われる言葉です。
指導や繁栄の言葉の後には、締めくくりの言葉を入れます。
締めくくりの言葉はなにを書くの?
「まずは書中にてお知らせします。」などの言葉を使います。
この言葉も回覧板や連絡事項などでよく目にすると思います。
一番最後に、敬具と書きます。
以上が、終わりの文になります。
終わりの文には「指導や繁栄、締めくくり、敬具」の言葉を使えばいいのね!
これでハガキが書けますね。
またこの時、はじめの文と終わりの文は同じ言葉が重ならないように注意しましょう。
はじめの文、終わりの文と日常でよく目にする言葉が多く使われていましたね。
ビジネス文書を書くとなると、どうやって書くのと混乱してしまうかもしれませんが、あまり硬く考えすぎなくていいかもしれません。
普段、送られてくるDMなどを参考にして考えてみてはいかがでしょう。
さらによくなる4つのポイント
挨拶状は礼儀正しく。PR要素も入れる。
挨拶状は、礼儀文書です。
はじめの文は、礼儀正しく改まった文章になるよう心がけましょう。
また、挨拶状を送るに至った経緯や理由、決意や今後の抱負等を盛り込み、今後の支援を願う気持ちを伝えます。
挨拶状には、PR的要素も盛り込みましょう。
その場合には、礼儀文として品位を損なわない範囲で、地図や取扱品目・経歴等を簡単に盛り込むようにしてください。
正確にわかりやすく
ビジネス文書での挨拶状は、どうしても堅苦しい文章になりがちです。
あまり形式にとらわれず、読みやすい文章を心がけるようにしましょう。
例えば、漢字を多用しすぎた文章などは、読みにくい印象を与えてしまうので注意が必要です。
句読点の使い方や順番がおかしくないかなど、一度声に出して読んでみるといいでしょう。
住所・地名・日付・時間・数量などの重要な情報には、別紙や箇条書きにし読みやすく工夫を行いしましょう。
送る前には、必ず情報が正確であるかをチェック行ってください。
以下が、チェック項目です。
- 相手に失礼な内容がないか
- 社名
- 人名
- 肩書き
- 住所
- 地名
- 日付
- 時間
- 数量
間違いがないか再確認を行いましょう。
お詫びの気持ちを一言添える
正式な挨拶は、直接行うようにしましょう。
なので、文書での挨拶は、正式な挨拶ではありません。
文中に「略義ながら書中にて、義挨拶まで申し上げます。」などの文書での挨拶を、お詫びする一言を添えると印象が良くなります。
送るタイミングも大事
挨拶状を書く上で、出すタイミングが大事になってきます。
ビジネスでの取り引き先への挨拶状は、遅すぎるといい印象を与えることができません。
なるべく早く送るようにしてください。
特に、案内状的役割を持つ挨拶状の場合は、相手のスケジュールに配慮し送る必要があるので注意しましょう。
言葉の種類、どんなものがあるのか
頭語と結語
手紙では一般的に拝啓(頭語)で始まり、敬具(結語)で終わります。
頭語と結語は決まった組み合わせがあるので気をつけましょう。
また、丁寧度によってさまざまな種類がありますので、相手との関係や内容にあったものを選びます。
ビジネス文書の場合、一般的には、「拝啓」で始まり、「敬具」で終わります。
お客様や目上の方へは、「謹啓」「謹言」を使用します。
季節の挨拶って他にどんなものがあるの
7月の季節の挨拶、例として。
上旬ごろ、「小暑の候、より一層のご隆盛のこととお喜び申し上げます。」
中旬ごろ、「盛夏の候、貴社におかれましては、ますますご盛栄のこととお喜び申し上げます。」
下旬ごろ、「大暑の候、ますますご健勝にお過ごしのことと存じます。」
他にもたくさんの季節の言葉があります。
挨拶状を出す時期に合わせて使い分けてください。
上旬 中旬 下旬 上旬 中旬 下旬 1月 新春の候
初春の候寒風の候
寒中の候厳寒の候
大寒の候7月 盛夏の候
小暑の候盛夏の候
暑中の候盛夏の候
大暑の候2月 晩冬の候
立春の候余寒の候
梅花の候春寒の候
向春の候8月 立秋の候
晩夏の候残暑の候
晩夏の候残暑の候
秋暑の候3月 早春の候
浅春の候仲春の候
春色の候春分の候
春暖の候9月 初秋の候
新涼の候爽秋の候
涼風の候秋涼の候
秋色の候4月 陽春の候
桜花の候陽春の候
春風の候春陽の候
晩春の候10月 秋色の候
秋晴の候秋麗の候
紅葉の候秋冷の候
紅葉の候5月 新緑の候
立夏の候新緑の候
薫風の候薫風の候
青葉の候11月 晩秋の候
紅葉の候落葉の候
向寒の候霜秋の候
向寒の候6月 初夏の候
青葉の候深緑の候
向暑の候梅雨の候
向暑の候12月 初冬の候
師走の候師走の候
寒冷の候寒冷の候
歳晩の候
引用先:https://www.aisatsujo.com/e_order/kigo.html
言葉のいろいろな慣用表現
7月の例文として
その他にもいろいろな慣用表現があります。
はじめにもお伝えしましたが、はじめの文と終わりの文で同じ言葉が重ならないように参考にして頂ければと思います。
繁栄を喜ぶ言葉
- ますますご清栄のことと心からお喜び申し上げます。
- ご清栄の段、何よりと存じます。
- 〇〇様にはいよいよご健勝にてご活躍のこととお喜び申し上げます。
感謝の言葉
- 平素はご支援を賜り厚くお礼申し上げます。
- 平素は格別のご高配をいただき心から感謝申し上げます。
- 平素はご愛顧を賜り心からお礼申し上げます。
指導・愛顧を願う言葉
- 今後とも変わらぬご愛顧を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
- これからも一層のお引き立てをくださいますよう、伏してお願い申し上げます。
- 今後におきましても変わらぬご高配を賜りたく、心からお願い申し上げます。
繁栄を祈る言葉
- 末筆ながら貴社の一層のご発展をお祈り申し上げます。
- 末筆ながら貴社のますますのご活躍を心からお祈り申し上げます。
- 末筆ながら貴社の一層のご繁栄を心より祈念いたします。
締めくくりの言葉
- 略義ながら書中にて、義挨拶まで申し上げます。
- まずは書中にてお知らせいたします。
- まずは取り急ぎご案内申し上げます。
引用先:https://biz.trans-suite.jp/10656
まとめ
今回、ビジネス挨拶状の書き方をご紹介しましたが、挨拶状といってもいろんな種類があると思います。
会社名の変更や転勤時・お中元・お歳暮など。
ここでは、その時々に合わせての挨拶状の書き方などは、ご紹介していません。
お中元・お歳暮の挨拶状をより詳しく知りたい方はこちらをご覧になり、参考にして頂ければと思います。
いろいろ決まりや言葉などがあり、いざ書くとなると大変ですね。
昔、国語の授業などで手紙の書き方を習ったことを思い出しましたが、完全に内容は忘れてしまってます。(笑)
今後、書く機会や常に書かないといけないという方は、「季節の挨拶」や「言葉の慣用表現」などをコピーして置いてたほうがいいと思います。
普段使わない言葉が多いので慣れるまでは、何度も資料を見るようしないといけませんね。
しかし、ビジネス上でのやり取りなので相手に失礼があってはいけませんし、間違いがないか何度もチェックが必要です。
特に4つのポイントを生かして、「こいつ仕事できるな‼」と思ってもらえるようにしてください。